ミのブレーキキャリパーをオーバーホールした
おひさしぶりです。
この記事は カー Advent Calendar の1日目です。
自分で Advent Calendar を立てていたことを完全に忘れていたので書きます。
ほとんどどこでも宣伝してないので知り合いのオタクだけしかいませんが、カーに乗っていたり乗りたかったりみたいな話があればよろしくおねがいします。
色々な人がカーについて話しているのを見たいので…。
本当はミがかわいいなあみたいな話をするつもりだったんですがこれのことについて全然書いてなかったのでタイミングがよかったので書きます。
弊ミことミラージュを納車したのが10月7日で、そのときはまだブレーキの引きずりはなかったように記憶しています。
埼玉から800キロ走った青森に着いたのが10月13日とかでその後はどこかに出かけることもなくおうちと弘前を行ったりきたりをしていました。
そして三菱のディーラーにMIVECデカールを買いにいったあたりでしょうか、左リアのホイールが異常に熱いことに気が付きました。
確かこのときが11月初頭くらい。
まあリアの片側だけのホイールが発熱するのは大体決まっていてブレーキのピストンが戻らなくなっていてブレーキがかかった状態になっているのが主な理由でしょう。(あとはハブベアリングとかドラシャのグリスがなくなったとか?)
ジャッキアップして確認するとわかりやすくて、片輪はスムーズに動くけどもう片輪はまったく動かない、とかになると恐らくピストンの固着的なものになるのでは、と思います。
特に異音もなくガタツキもないのでブレーキであると踏んでいて、ディーラーの人もまあ恐らくピストンが出たまま戻らなくなってしまったのでしょうということで意見も一致したのでとりあえずキャリパーのシールキットだけを注文することにしました。
2日程度で届く(たぶん)ので適当に取りにいきまして、リアのシールキットとブレーキホース用の銅ガスケットを2枚分でこんな感じでした。
品番としてはシールキットが 4605B968 (1944円)でガスケットは MA111832 (366円)です。
久々に純正部品を買ったので全く覚えてませんが、純正部品を買うと1割引きだったりするんですかね。
ヨタの時は部販に行っていたものの全然覚えていないのでもしかしたら割引されてたりするんでしょうか。
ついでに整備書のコピーも貰って作業のコツなどを教えていただいたのでありがとうございます!してディーラーからおうちへ。
お約束の文句ですが、ブレーキ周りは保安部品でありミスがあると事故に繋がるため自信がない方は整備工場などで作業をしてもらいましょう。
もしこの記事の真似をして事故が起こったとしても当方で責任は持ちません。
さていざ交換…といきたいところですが、途中まで写真が全くありません。
実際インタネッツで逐次写真を撮って記録している人は本当にすごいと思います。
はじめると手にオイルがつきまくるのでいちいち写真を撮れなくなってしまうので、恐らくちゃんと書けてる人は3本目の手があったり撮ってくれる人がいるに違いありません。
使うものとしては各種メガネレンチやラチェット・ソケット類で問題はなさそうです。
あとはSSTとして先が長いスナップリングプライヤーやブレーキピストンキューブ(私は使いませんでした)などがあるとよさそうです。
ピストンも新しくするならピストンを買ってもよいし、磨いて再使用する場合は1000番とか1500番くらいの耐水ペーパーがあるとよさそうです。
あとは錆を落とすのでワイヤーブラシや錆落とし用のなにかなど。私はワイヤーブラシと灯油でがんばりました。
ちなみにスナップリングプライヤーはサイドブレーキ機構のオーバーホールに必要ですがサイドブレーキ機構のオーバーホールをしない場合は不要です。
本当は私もサイドブレーキの機構まではバラすつもりはなかったのですがネ
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ブレーキピストンキューブでいうと回しているときにピストンと反対側のパッドをおさえる手と干渉してしまいがちで、専用のSSTを自作したりしたほうがいいかもしれないですね。
キューブがもっと小さければいいのですが、ちょっと干渉してしまうような大きさだと難しいかも。(なので結構削って干渉しないようにしている人を見る)
というわけで作業していきます。 ジャッキアップしてウマを掛けてタイヤを外して、キャリパーをおさえているボルトを外してキャリパーを取ります。
この辺の取り外しに関していうとこのみんカラの記事がわかりやすくていいですね。
ボンネットを開けてブレーキフルードのキャップを外しておくといいかもしれません。
リアブレーキキャリパー オーバーホール | 三菱 ランサー by まめ小豆 - みんカラ
まあ外すだけなので特に書くこともないですが、ブレーキホースを取ったときはこうやってボルトとナットで締めて漏れを少なくするといいかもしれないですね。
確かM10だった気がします(覚えていない)。
漏れないようにホースを締めたりボルトじゃなくて別なもので締めたりするものもあるので色々探してみるといいとは思います。
そして問題のピストン取りです。
まずキャリパーの中身ですが、こんな感じになっています。
かなり大袈裟に書いたのでピストンが細いですが、もっとシリンダーにピッタリなサイズです。
ピストンブーツ、リング、ピストンシールなどを交換していきます。
ピストンを正面から見るとこんな感じになっていますが、サイド兼用ピストンはこういう感じにピストンに溝があってこの溝にさっきのピストンキューブなどをかけて反時計回りに回すとピストンが飛び出てくるようになっています。
とりあえずブレーキホースを取ってペンチを溝にかけて回して取れないかな~~~と一縷の望みをかけてやってみましたが取れるわけもなく。
普通はエアーツールでやるようですがうちにはエアーツールがないのでもう一度ブレーキホースをつなぎ直して油圧で出すことにします。
つなぎなおして踏むと問題なく飛びでてきてくれたのでよかった。
これで飛びでてこない場合は多分もっと色々手をつくす必要があると思うので大変なのカモ?
さて、ピストンが出てきてもまだピストンブーツがあるので大変です。
とりあえずついているブーツ類は再使用することがないので適当に破きながら取っていきます。
ピストンブーツはCリングみたいな輪っかでおさえられているので、切れ目をなんとかみつけて千枚通しなどでひっぱって取りましょう。
長い間交換されていないキャリパーなどはこのリングとキャリパーの間にもサビが浮いてしまい大変です…(でした…)。
取ったのはこんな感じ。
スライドピンブーツもシールキットにあるので取って交換しましょう。これは大変ではないです。多分。
ピストンブーツとリングを取ったら中にピストンシールもあるのでこれも取ります。マイナスドライバーとかでやると傷をつけてしまうかもしれないのでピックツールなどがあるとよいかもしれませんね。
私は千枚通しでとりました。
ピストンには錆が浮いているので適当に耐水ペーパーで磨くとキレイになります。とりあえず磨いたところでは穴があいていたりといったところはなかったのでピストンは再使用します。
次にキャリパーの錆び落としです。
おそらくここが全体で一番時間がかかるところだと思います。
はじめはKURE 5-56を吹きながらワイヤーブラシでゴシゴシしていましたがもう面倒になったので味噌のバケツに灯油を入れて漬けておくことにしました。
これで1日目が終了です。
そして2日目…といきたいところですが、2日目もバラすくらいで特になにもしていません。
1日目の段階でなにも考えずに灯油に漬けてしまい、このせいでサイドブレーキ機構もバラすことになりました。
サイドブレーキ機構のところにもゴム部品があるため、灯油につけるとぶよぶよになってしまい、シールの意味をなさなくなってしまいます…。
そのため全部バラして全体オーバーホールになってしまいました。
こうならないようにサイドブレーキ機構までOHしない場合は灯油ドブ漬けはやめといたほうがいいですね…。
というわけでサイドブレーキ関連部分を外していきます。
サイドブレーキ関連部ですが、まずシリンダー内はこんな感じになっています。
とりあえずシリンダー内の部品に関して言えばスナップリングさえ取れば簡単に全部が取れます。
が、取り外した暁には取りつける必要があり、そのときにスプリングをおさえる必要があります。
サービスマニュアルにはφ19の鋼管を使うように書いてあるので、お近くのホームセンターでφ19くらいの鋼管を生成するとよいです。
私はコメリパワーで買って切ってもらいました。
っていうかパワーって書かれたジャンパーかっこよくていいですね。ほしい。
そしてスナップリングを外しますが、ここで先が長いスナップリングプライヤーが役立ちます。
千枚通し2本でもできるでしょうが、大変なので買ったほうがいいと思います…。
取るとこんな感じ。左からカバーにスプリングにおさえ板にOリングにスピンドルにロッドです。
外すのはここだけではなくサイドブレーキレバーとカムの部分とシールの部分も取れます。
というかシールもあるので取り外す必要がありますね。
構造的にはこんな感じです。ベアリングは取れません(たぶん(品番がない))。
レバーを回してキャリパーに干渉しないようにすると引っぱって取り外せます。
私はナット(とワッシャー)を外してしまいましたが多分外さなくても取れます。(ナットはレバーをカムから取るときに外す感じだと思う)
カムを取り外すとシールがあるのでこれを外すんですが金属のフタみたいな感じになっていて、こんな感じにツメがあるので、ここにマイナスドライバーをつっこんでがんばって外します。
シールを外したらあとはまた全部灯油につっこむだけです。
これで2日目がおわり。
というわけで結局3日がかりになりました。灯油ドブ漬け錆落としをしなかったり、単にピストンシールとリングとピストンブーツを交換するだけなら数時間で終わるでしょうネ…。
3日目は普通に組んでいきます。
まず灯油のなかで適当にブラシなどでごしごししてついてる錆を落とします。
そしたら灯油から上げて油を取っていきます。パークリがあるといいですね。
とりあえずシールキットの中を出します。
Oリングが2つありますが使うのは1つだけで、それ以外は全部使います。
赤いのがグリスになりますが、とりあえず全部使い切る勢いで全部に塗りたくっていきます。
さて、まずサイドブレーキ機構のカムなどをつけていきます。
上からみるとこんな感じになっていて、ロッドが通る部分にはベアリングがあるとだめなのでグリスを塗りながらズラしておきます。
ちなみにピストンシリンダー側から見るとこんな感じ。
次にサイドブレーキカムのシールのゴム部にもバリバリグリスを塗ってキャリパーにハメます。
かなり固いのでゴムハンマーとかで叩いて入れたほうがいいかも。
そうするとこんな感じ。
カムにもグリスを塗ります。カムのロッドがささる部分にもたっぷりグリスを塗っておく必要があります。
グリスを塗ったらベアリングの向きに気をつけながらカムを入れて、レバーがサイドをきかせていない状態の向きに戻しておきます。
そうするとシリンダー側からみるとこんな感じに見えます。
次はシリンダー内の機構を組んでいきます。
部品はこれら。
とりあえずシリンダー内にドベドベグリスを塗ります。
スピンドルのOリングを入れます。サイズ違いで2つありますが、ハマる方をつけます。あ、ちゃんとグリスを塗ってから。
そしてスピンドルの底のヘコんでいるところにグリスをどばっとつけて、ロッドにもグリスを塗りたくって、こんな感じにつけます。粘度が高いので落ちません。
そしてシリンダー内に入れて、カムのヘコみに入るようにまっすぐ入れます。垂直に入れるとよさそうですが、まあ横にしたままでも入らないこともないです。
そうするとこんな感じになります。
次におさえ板とスプリングとスプリングカバーを組んでいきます。
おさえ板をスピンドルにハマるように入れて、スプリングを入れてカバーをつけます。
カバーを付けるときは鋼管でおさえてからスナップリングをかけます。
スナップリングをかけるときはブリーダー側(シリンダーを正面から見て向かって右側)にリングの穴がくるようにする必要があるようです。
こういう感じですね。
鋼管をおさえながらリングをハメるのは大変ですがまあがんばるしかないですね。
シリンダー内にキズをつけないように気をつける必要もあります。
ちゃんとハマったらサイドブレーキカムをちょっと動かしてスピンドルが飛びでてくるか確認してください。飛びでてこない場合は組み方が間違っています。
動作機構はこんな感じです。
カムが時計回りに回る(サイドブレーキレバーを引く)と、ロッドが偏心カムに押されてスピンドルを押し出して、ネジでハマっているブレーキピストンをスピンドルごと押し出します。
これにより油圧によらずピストンを押し出せるためレバーを引くだけでブレーキがかかるようになります。
面倒な機構ですがすごいですネ。
さて、動作機構はおいといてなんとかがんばってスナップリングをハメたら次はピストンシールがハマる溝にグリスを塗り、ピストンシールにもグリスを塗って、シールを入れます。
そしてスライドピンブーツが入るところにグリスを塗り、スライドピンスリーブにもグリスを塗り、そのスライドピンブーツにもグリスを塗って取りつけます。
こんな感じですね。
左右の赤丸がブーツで、付けていませんが奥の丸がスライドピンスリーブです。
スリーブもグリスを塗って入れこみます。
ここまできたら恐らくみんなだいすきピストン入れになるわけですが、ブーツを先にキャリパーにつけるか、ピストンにブーツをつけてからキャリパーに付けるのか色々流派があります。
まあできそうなやつをすきにやるといいと思います。
私はブーツをキャリパーに付けてからピストンを入れていくやり方でやりました。
ブーツもピストンもちゃんとグリスを塗りたくりましょう。
Cリングがちゃんとハマっているかも確認するといいですね。
わかりづらいんですが描くとこんな感じになります。
シールの一番内側を外側から押していって一周させて入れるみたいな…。
大変ですがちょっと指でひっぱるくらいなら破れることはない…とは思いますがわからないので慎重に。
とがったものを使うのはこわいのでやめたほうがいいですネ。
入ったらもう勝ちです。 あとは垂直にしてピストンを時計回りで入れていくだけです。
奥まで入れていくとこんな感じ。
写真のピストンの向きはちょっと違っていて、この向きにしないとキャリパーを入れたときに溝にハマらなくなるのでこの向きに調整します。
さて、このくらいの位置に調節したらちょっとサイドブレーキレバーを動かしてみて問題ないか確認してみます。
こういう風に動きます。
動画の説明欄にも書きましたが、レバーを動かしすぎるとピストンが戻らなくなります。
戻らなくなったまま組むとなんの意味もないので戻らなくなったら一度反時計回りに回してスピンドルからピストンを外してからまた入れなおしましょう。
私はこれに気付かず一度組んでしまい直ってねーじゃんと頭を抱えました…(小声)
ここまできたらあとは取り付けるだけです。
ガイドピンにグリスを塗り、ロックボルトにもグリスを塗り、キャリパーを付けて、ボルトを締めて、ブレーキホースをつけ…と、ここには買ったガスケットをちゃんと付けます。
そしてサイドブレーキワイヤーをつけてバネを戻して組み付け終了です。
終わったらちゃんとエア抜きをしておしまい!
エア抜きの仕方はインタネッツにいっぱい書いてあるので省略します。
結局一番時間がかかっていたのは灯油にドブ漬けしている時間でしたね。
それがなければサイドブレーキ機構のバラしを含めても6時間弱でできると思います。
まあ交換したことがない個体であれば錆はありそうだし、錆取りの時短方法さえあれば休日1日を使えばイケそうですね。
今回は緊急なので1輪だけやりましたが、1度やると感じがつかめるので次はもっとはやくできそうですね。
もう冬になってしまうのでもう春まではやりたくないですが…。
冬の間はピストン固着しないでくれ~~~~という感じです。
にしても、納車即こんなことになるなんて思ってもみませんでしたネ…
まあこういうところはいくらでも出てくるでしょうネ。
それはそれで楽しい(楽しいとは言っていない)ので別にいいですけど、まあお金はかかるね…。
高年式のカーに乗るとこういうのがなくてすぐカスタムに行けるんでしょうけど、別にカスタムしたいというアレもないので、のんびりレストアしながらやっていこうと思います。
あ、掛かったお金もまとめておきます。
シールキット・ガスケット: 2079円(三菱純正部品)
先曲がりスナップリングプライヤー: 2138円(アストロプロダクツ)
M10ボルト・ナット: 確か100円弱(ホーマック)
ワイヤーブラシ: 213円(ホーマック)
耐水紙ヤスリ(1000番): 92円(ホーマック)
耐水紙ヤスリ(1200番): 102円(ホーマック)
ブレーキフルード(DOT4): 1058円(アストロプロダクツ)
メッキパイプ(19.11.21000)+鋼材カット手数料(50円): 328円(コメリパワー)
1ウェイバルブ: 594円(アストロプロダクツ)
→6704円
このうち、次回以降に使えるのがほとんど(消耗品などは除く)なので、次回からはシールキット・ガスケットとブレーキフルードとパークリくらいなものなので半分くらいになりそうです。
明日はアルファロメオ147に乗る alfa147ti1 氏です!楽しみです!
じゃぁ!